[Today's Disc]

Everglow

Everglow

デビュー作『Destination : Beautiful』が好きだったのでこの新作も楽しみにしていたのですが、その期待をはるかに上回る素晴らしいアルバム。前作を聴いたときにも、Mae(メイと読みます)の音楽には物語や映像を喚起させる力があるなと感じていました。まるで青春小説の読後感のような清々しさも併せて。この新作ではそのことを証明するかのようにストーリー仕立てになっており、少年を主人公にその成長物語を音楽と絵(スリーブが絵本のようになっている)で楽しむことができる。全体のコンセプトやパッケージ、もちろん音作りの面でも時間をかけて丁寧につくられているなということが伝わってきて、彼ら特有の大空へと飛翔していくような清涼感あふれるサウンドには厚みが、やさしく包み込むボーカルもより深みが増しています。たとえが古いけど(なんせ、いい歳なので)、'70年代中頃のStix、Kansasなどアメリカン・プログレと呼ばれたバンドたちが持っていた明快だけど人の心に訴えかけるモノ、それと同じような要素がMaeにはあるような気がします。エモ系のジャンルに括られがちだけど、もっと多くの人たちに聴いて欲しいバンドです。

 [Today's Disc]

In the Clear

In the Clear

言ってる先からCCCDと知らずに国内盤に手を出してしまったおバカな自分○| ̄|_ これって東芝EMIだったんだね。最近の新譜はほとんどCCCDじゃないので油断してましたよ。もちろん焼きなおして聴いてますが……はぁ。中身のほうは小粋でメランコリックなギターポップでなかなかよいです。たとえるならMewを少しソフトにした感じ。ちなみにリンクは輸入盤のほう。

I don’t want more CCCD!

aikoの過去5作品がSACD化されるというのはファンの人だったらすでに承知のことだと思います。これは唯一のCCCDアルバム『暁のラブレター』を通常のCDとして再リリース化を希望するファンの声を拾い上げたものと理解していますが、ポニーキャニオンの今回の処置は素直にうれしい。
ただ、これはアルバムに限ったことなので、CCCDでリリースされた3枚のシングル「えりあし」「かばん」「花風」に関してはそのままなんですよね。aikoの場合、シングルのカップリングに必ず1〜2曲はアルバムに収録されない曲を入れるため、これら(ここでは6曲)がCCCDのまま放置されてしまう。どれもいい曲なのにもったいない。
この3枚のシングルは当然買ってなかったんですが*1、今回レンタルで借りてきました。よくaikoのアルバム未収録曲だけをピックアップして聴いているのですが、これで合計27曲に。自分の使用しているWindowsのパソコンでは取り込めないので、娘のMacを借りてあらためて焼直します*2。こうしてようやくまともなCDとして聴くことができるわけです。まったく無駄な行為ですよね。CCCDでなけりゃ普通にCDプレイヤーのトレイに入れて再生させるだけですむ話なのに。そもそも通常のCDだったら普通に買ってますから。僕ら音楽ファンは純粋に音楽を楽しみだけなのに、その自由すら奪ってしまうCCCDという存在のくだらなさを再認識しました。

*1:『暁のラブレター』だけはCCCDと知りつつ買ってしまったけど……

*2:CCCDMacには非対応なので普通に焼けちゃうんです。まったく意味ないですよね。

 [Today's Disc]

WARP

WARP

幻想的なジャケットにおもわず手が伸びてしまいました。5曲入りミニアルバムでボーカルや曲の雰囲気などはCoccoにも通じるものがあるが、決してアクの強さはなく、むしろさらりとした感触。ジャズやカントリーを聴いて育ったらしく、そのあたりが若いながらも(現役大学生)カドのとれた独特の柔らかさを生み出しているのかもしれません。表題曲が素晴らしい。こちらで試聴できます。


Human After All~原点回帰

Human After All~原点回帰

この手のジャンルは決して詳しくないんですが、気分を高揚させるためのBGMとして結構聴きます。そう、たとえばChemical Brothersの『Dig Your Own Hole』などのように。ニューウェイブキッチュさをちりばめつつ、3.Robot Rockに象徴されるようなソリッドな音作りになっており、可能な限りステレオのボリュームを上げて体でその振動を受け止めるようにします。小さい音で聴いてもつまらないし。決して賞味期限の長い音ではないけど、それがまたよかったりもします。

BGM

もうすぐ大学4年になる娘は実験に追われる毎日を過ごしており、近頃では一緒に食事はおろか、顔すらろくにあわせていません。確か3日前は友人宅に泊まり(遅くなるとほとんどそう)、一昨日は夜中の1時頃に帰宅、昨日も実験が夜中の1時までかかり友人宅に宿泊。今日(夜10時半現在)も帰ってくるかも不明です*1。はたして女の子がそれでいいのかとも思ったりもしますが、別に遊びまわっているわけでもないの文句も言えません。
そうゆうわけで私のほうも、好きなときに食べて、掃除もあまりせず、学生時代のような気楽な一人暮らし(?)の毎日。楽といえば娘がいないせいで夜中でも気兼ねなく大きな音で音楽を聴くことができ、ほとんど寝てるときでもスピーカーから流しっぱなしの状態になってます。そのせいでCDを買うのにも歯止めが利かなくなってしまってますが、そのことは娘には内緒です(笑)。

*1:結局夜中の1時半に帰ってきました。2日ぶりに娘の顔を見た。

 大塚愛 [amazon] (通常盤)

リリースされたのはだいぶ前なので今さらって感じですが、最近になって聴いたもので。1stの頃は、そのメロディや歌い方がaikoのフォロワー的な言い方もされてましたが、ここではしっかりと自分のカラーが押し出しされています。知名度があがったことで自身のキャラクターがきちんと確立されたことも大きく影響しているでしょうし、エッジの利いたパンキッシュさを前面に出したり、コミカルなキュートさであったり、時にはセクシャルな含みを持たせるなど、“大塚愛らしさ”がよりストレートに伝わってきます。個人的にはどこか広末を思い起こさせるシティポップス風の3.Strawberry Jamが聴けただけで満足(1stを聴いたときにも感じたが、彼女の声はaikoよりむしろ広末に近いタイプだと思う)。aikoと同じで、今回はCCCDじゃないというのもよかった。

聴きくらべ?

『LOVE JAM』

aikoの新作がオリコン初登場1位を記録したそうですが、リリースして1週間毎日繰り返して聴いてます。いいですね、やっぱり。彼女の場合ほぼ1年1枚ペースでアルバムは出されているけど、一つひとつにストーリーがあって、そのどれもが高いクオリティを保っています。シングルのみのカップリングでも手抜きなし。タイプこそ違えど、今のミュージックシーンにあって、いち時代のユーミンにも似たポジションにaikoはいるんではないでしょうか。今の時代の女性SSWとしては頭ひとつ抜きん出ているような、そんな気もします。まぁ、単純にファンなので褒めちぎってしまうわけですけど(笑)。それと安易にベストアルバムを出さないという姿勢も好きです。出せば間違いなく数十万枚のセールスが見込めるポジションにいて、すでに6枚のオリジナルがあるのに未だそのそぶりすら見せないですからね。その背景には、作品としてのアルバムに対する思いや、それに伴うツアーを大切にするというアーティストとしての自負のようなものがきっとあるようにも思いますが、それでも将来的にはきっとベストは出すでしょうから、どんな形、選曲でリリースされるのかそれはそれで楽しみだったりします。