娘のスーツ

『All For The Reason / haven』

娘の高校時代の同級生の父親が昨日亡くなったらしい。
だいぶ以前から重い腎臓病を患っており、入院生活を続けていたというから、かなり容態が悪かったのだろう。もしかしたらあらかじめ予想できた死なのかもしれない。
この同級生の子には何度か顔を合わせたがある。快活な女の子だった。またいつか会う機会もあると思うが、その時には元気な笑顔が見たい。心からそう思う。
御通夜に出席するため、スーツに着替えた娘がさっき出掛けていった。


この1年ぐらいの間に、同級生の親御さんやお世話になった先生などの葬儀に娘は何度も行っている。正直、ちょっと多すぎる数だ。大学の入学式のために買ったスーツをいつも着て行くのだが、「もっと別の機会に着たい」と本人も言っている。素直な気持ちだろう。親の私から見ても気の毒な気がする。


私自身もこの数年の間に、2度ほど家族の死を経験している。悲しいことだが、生きている年月が長くなれば身近な人の死に触れる機会が増えるのは仕方のないことでもある。別にネガティブに捉えているわけではないが、人生には限りがあることをあらためて知らされる。