Can You Keep A Secret?

『SINGLE COLLECTION VOL.1』

前回のaikoが3週間前、で今回は4年前に観た宇多田ヒカルのライヴの話です。いえ別に他のネタがないってわけじゃないんでが…(→そのとおりだよ)。


このライヴは2000年に行われた宇多田ヒカルの最初のツアー「Bohemian Summer」の直前、6月26日に行われたシークレット・ライヴ。当時Inter FMで番組を持っていた彼女が、その最終回で突然告知をし、夜中に娘とふたりで30分間電話し続けて奇跡的にチケットを手に入れることができた。
最近はシークレットとは名ばかりのプロモーション・ライヴが多いけど(事前告知しといてどこがシークレットなんよ?)、これはスゴかった。四半世紀以上いろんなライヴを経験してきたけど前代未聞。ほとんど戒厳令並みのセキュリティの厳しさとガードの固さのシークレット・ライヴでしたよ。マジで。

ライヴについてはスタッフから電話で直接説明されるのだが、開演時間が8時からということだけで会場は告げられず、とりあえず4時(!)に渋谷の代々木体育館前に集合するように言われた。その際には写真付きの身分証も必要とのこと(同行者も。)。
娘(同時16歳)と一緒に午後4時に代々木体育館に行くと、入口門前には警備員が配置されており、部外者が敷地内へ入れないようになっている。外にはワイドショーのクルーなどもいて参加者から情報を聞き出そうとしていたが(自分も含め)ほとんどは黙ったままだった。


第一体育館前に設置された受付で一人ひとりチェックを受けるのだが、通常行われるなおざりなものではなく、持参した身分証を元に入国審査のような細かな質問を受けて、何もそこまでしなくてもと思うぐらいに、写真と実物を念入りに見較べる。なので時間も数倍かかる。やっと仮の番号札のようなものをもらうが、まだ会場は教えてもらえない(少なくともここではないらしい)。
次に体育館横の通路で番号順に並んで、そこで待機するように指示される。この日は暑くて石段の上でじっと待っているのはかなりツラい。しばらくすると全員で1000人足らずほどの人たちが数班に分けられ、先導者の後を着いて行きながら20分間隔で徒歩で(!)移動を開始。この時点でもまだ行き先は教えてもらえず、百人単位の人間がゾロゾロと渋谷の街を無言で歩く様子はかなり異様な光景だった。しかも移動中は部外者に声をかけられても一切答えてはいけないと釘を刺される(実際、マスコミの人間がつけて来た)。この移動だけで開始から終了まで2時間近くかかった…。


やっと到着。会場は渋谷道玄坂にあるON AIR EAST(現O-EAST)だった。ここまで辿り着くのに集合から3時間以上が経過。
受付でもう一度、一人ひとりにチェックが入り(笑)、ようやく本当のチケットが渡される。料金は一人3000円。一応金取るんだね。
会場内に入ると「ちょっとでも危険な状態になったらコンサートは即刻中止になります」といった趣旨のアナウンスが繰り返し流れていた。最後まで徹底してますね。
チケットの整理番号は限りなく最後尾に近くて、フロアもロープでブロックごとに区切られてあったのだが、娘の制服パワー(女子高生の姿を見ると、結構前のほうへ呼び寄せてくれる)を利用して最前列ブロックへ進入成功。おかげて目の前で宇多田ヒカルのパフォーマンスを堪能できた。確かハーレーダビッドソンのロゴが描かれた赤いタンクトップを着ていたと思ったけど、想像以上に実物の彼女(当時17歳)はかわいかった。ちなみに、この時の映像はシングル「For You」のPVで使われてます。


「今夜を伝説の夜にしようよ〜」という彼女の言葉で始まって、10曲ぐらいの短いステージだったけど、さすがに異様なぐらい盛り上がって終わってみたら全身汗だくに。何より一番印象に残っているのは集合から開演まで4時間の間、誰一人文句も言わず辛抱していたこと(途中脱落者ゼロ!)。ファンというのはエライよね。人のことは言えないけど(笑)。