東大でのシンポジウム

『Outtasight/Outta Mind / The Datsun

家から比較的近いということもあって、今日の午後、東京大学で行われた「輸入盤規制問題を考えるシンポジウム」にふらりと参加してきました。
本郷キャンパスに到着したのは、開場時間の2時半過ぎ。入場制限も出た4日の新宿ロフトプラスワンの例もあったので、やや焦って会場の経済学部教室に入ると、7,8人がまばらに座ってるだけで広い室内はまだガランとした状態でした。ちょっと拍子抜け…。
入口で受け取ったA4版8ページのレジュメ(レイアウトを含め、ちょっとヤッツケっぽかったけど、こういうのがあるとすごく助かる)を見ながら待っていると、開始時刻には50人ほどが集まってた(最終的には70人ぐらい)。
どうやら出席者の大半は経済学部の学生らしく、一般からの参加者(特に学生以外)はごく少数の様子で、そのせいか大学の講義を受けているようななんだか懐かしい気分でシンポジウムは始まりました。いろんな人たちが入り混じって、異様な熱気に溢れていた新宿とは対照的な雰囲気。


まずは司会の学生が、4日のシンポジウムのポイントや、最近のAmazonタワレコHMVなどの小売店の反応なども織り交ぜながらこの問題の経緯を時系列で説明。
ここからが本編で、パネリストの方たちによる講演、ディスカッション、質疑応答などが行われる。個々が持っている情報を元に意見が述べられてゆき、作家の阿部和重氏、東大助教授、翻訳家の柴田元幸氏などのコメントなども代読されました(ポール・オースター・ファンの自分にとっては柴田氏のユーモアを交えたコメントは興味深かった)。
進行がやや滞ってしまって充分な話が聞けず残念な面もあったけど、こういった複雑な問題を2時間の枠内で議論するというのは、やはり難しいのでしょうね。
途中パネラーの藤川毅氏から、「この中で4日のシンポジウムに参加した人はいますか」という問いかけに対して手を挙げたのが私を含めて数名しかいませんでしたが(ほとんどが学外からの参加者と思われる)、集まった人たちの大半は東大の学生で、そのほどんどはこの日実際に話を聞くまでは、詳しい実態についてはあまり把握してなかったのでしょう。雰囲気でわかります。コアな音楽ファンによるイベントや集会とはまた違った意味で、彼らのような参加者を集めて行うということは、裾野を広げ、認知度を高めると言う面においてもとても有意義なはず。東大というネームバリューだって利用しない手はないし。運営された学生のみなさん、ほんとお疲れさまでした。
また、この日は夜に横浜でも緊急市民集会が行われ、盛況のうちに終了した模様です(東大でのシンポジウムにも参加されてた民主党衆議院の川内氏、音楽評論家の藤川氏は掛け持ちで参加されました)。
この問題に関するイベントが同日にふたつも行われるのも考えてみたらスゴイことですね。ちょっと前までは考えられない盛り上がりだ(そういえば、現時点での署名が5万を突破したと言っていた)。いよいよ佳境に差し掛かってきた感があるけど、音楽ファンのみなさん、これからが踏ん張りどころです!



話は戻って、4日の新宿でのシンポジウム以降から現在までの流れと、これから先の展望というのが、この日の話題の中心でした。ネットをチェックしてる自分にとっては既報の情報の確認と取りまとめという趣きが強かったけど、オフレコに近いような興味深い話(経済産業省文化庁との裏取引の中で、これまでも批判の多かった再販制度の代わりのカードとして輸入権が出されたこと。それらの大勢は去年の11月にはすでに決まっていたにも関わらず(実際に合意文書が存在するらしい)、再販制度がメディアでタブー視されていたために問題の表面化が大幅に遅れてしまったことなど…)もいくつか聞けました。
映像と音声を記録しているとのことなので、そのへんの詳しい話は後日アップされるでしょうし、パネラーの方たちのブログなどでも詳しく説明されると思いますので、情報がわかり次第、リンクなどでお知らせします。

5/27 19時〜横浜の市民集会の模様が、
facethemusicさんで詳しく紹介されています。