2004 summer select

『Greatest Hits / Little River Band�

お中元の話じゃないですよ(笑)。ネットで知り合った音楽仲間の方たちと、気の向いたときに行っているCD-Rのトレード。今回はいつものタケダさん、RYOSEIさん、私に加え、輸入CD問題のシンポジウムでご一緒した風来坊(id:huraibou)さん、kissheeさん、の5人でやってます。時節柄、テーマは夏ということで。私のセレクトはこんな感じ↓
もし、このセレクトを聴いてみたいという方がいらしたなら御一報下さい。


1.Jealousy / James Iha

スマッシング・パンプキンズのギタリストだった彼が、バンド在籍中の98年に出したソロ『Let It Come Down』に収録。ここで聴かれるのはカントリーフレイヴァー溢れる優しいラヴソング。グラム・パーソンズニール・ヤングが好きだというのも納得の、良質のSSW作品に仕上がってます。ちなみに日系3世の彼はヨシノブという日本名も持っているらしい。


2.Driftin' / Alessi Brothers

本国よりも圧倒的に日本での評価が高い(彼らのアルバムが全てリリースされているのは日本のみ)NY出身の美形の双子デュオ。この曲がタイトルにもなっている3rd『Drifin'』は、名ギタリストでもあるルーイ・シェルトンがプロデュース(アート・ガーファンクルやこの後で登場するシールズ&クロフツなども手がけています)。発表時の78年はあのKISSまでもが「I Was Made For Loving You」なんてのを歌ってたディスコ全盛時代で、ご多分に漏れずこの曲を含めアルバム全体も影響を受けてるけど、洗練されたハーモニーと卓越したポップセンスはさすがです。アルバム1曲目「Dancing In The Halls Of Love(邦題:恋のダンス)」はピンクレディーアメリカ進出のためにカヴァーしてました。


3.Only A Boy / Tim Burgess

シャーラタンズ(新作出しましたね)のヴォーカリストのソロから。5年前に移住したLAのカラッとした空気を感じさせるような明るさと瑞々しいファルセットボイスが心地よいです。どこかアナログ的でちょっぴり懐かしめのソウル、R&Bを思い起こさせるサウンドは、ライナス・オブ・ハリウッドと共同で創り上げたもの。


4.Candy / Spagehtti Vabune!

神戸出身の青春ギターポップ・バンド。男女ツインヴォーカルで、特に女の子(チイコさん)のやる気のあるんだかないんだかわかんない声(笑)がとってもキュート!スウェディッシュ・ポップのようなキラメキと、どこまでも飛んでゆきそうな疾走感。バンド名のスパゲッティ・バビューン!は「斜め上に飛んでいってしまう勢いで発音していただくと嬉しい限り」(メンバー談)だそうです。


5.VIVA! カリフォルニア / 加納秀人

昨年結成30周年を迎えた外道のギタリスト。『In The Heat』(この曲が入ってます)『地球の夜明け』の2枚のソロはリアルタイムで聴いてました。あの頃(70年代末期)はジェフ・ベックの一連の作品〜クロスオーヴァー/フュージョン・ブームの流れに乗っていろんなギタリストがソロ・アルバムを発表してましたね。加納秀人の場合も当然インスト部分に比重が置かれていたけど、この曲のようにアクの強いヴォーカルナンバーのほうが印象に残ってます。


6.Summer Breeze / Seals & Crofts

72年に「想い出のサマー・ブリーズ」の邦題で大ヒットした夏の定番曲。おもいっきりベタなセレクトですが…。確かGREAT3が1stでカヴァーしてましたね。


7.Bridge / Kyle Vincent

80年代中期に活動していた甘口パワーポップ・バンド、キャンディ(後にガンズに参加することになるギルビー・クラークが在籍)でヴォーカルを担当してた経歴を持つ、カリフォルニア出身のSSW。ラズベリーズ、ルビナーズにも通じる甘い歌声からは、彼の真摯で誠実な人柄が伝わってきます。どこか70年代的雰囲気を感じさせる音ですが、この曲が入っているアルバム『Salitary Road』がリリースされたのは去年。


8.New King / The Rembrandts

アメリカのTVドラマ「フレンズ」のテーマ曲「I'll Be There For You」のヒットで知られるポップ・デュオ。これは90年のデビュー作に収められた1曲。いかにもTV用に作られコマーシャルな「I'll Be 〜」よりも、コステロ風のシンプルなこの曲のほうがずっと魅力的です。


9.Tame The Lion / Emitt Rhodes

元メリー・ゴー・ラウンドの4チャンネル宅録シンガー。全ての楽器を自分で演奏してビートルズライク(というよりポール・マッカートニーだが)な曲を延々と作り続けたDIYな努力の人です。73年のシングルで、邦題は「平和の願い」。以前の曲に較べ音質も少し向上。


10.What'cha Know About / Donavan Frankenreiter

ジャック・ジョンソンがバックアップ&参加もしているメジャー・デビュー作から。こういったメロウさやレイドバック感は、プロサーファーのライフスタイルや、ハワイという土地柄とも関係してるんでしょうか?なんてことを考えてしまうようなゆったり、まったりとした世界。ハーモニカを吹いてるのはG・ラヴです。


11.Bitter With The Sweet

ジャミロクワイのツアーにも参加した経験のあるイギリス人の2人、ギャヴィン・ドッズ(ヴォーカル、ギター)、バーニー・ハーレイ(ドラムス)によるユニットだが、自らスティーリー・ダン好きを公言し、さらに実際にスティーリー・ダンのアルバムで関わったミュージシャン、エンジニアを起用してアルバムを製作。そのまんまジャミロクワイ的なUKソウル/ファンク・ジャズとスティーリー・ダンサウンドをミックスしたような音になってるが笑える。この曲は日本盤のみのボートラで、音の感じからしてアウトテイクっぽいが、作り込み過ぎてないのが逆によかったので選びました。


12.Birthday Girl / メロキュア

アニソン界最高の女性デュオ(といってもアニメのほうは全然知らないけど…)。アルバムのリリースから2カ月も経たない5月5日に岡崎律子さんが病気で亡くなられて、そのため『メロディック・ハード・キュア』が最初で最後の作品になってしまいました。これはアルバムで一番好きな歌。素敵な曲だけに余計に切ないです。


13.The Californian / Sunday's Best

こういった優しい声の持ち主がいるエモ系のバンドって最近多いかも。何か突出したものがあるわけじゃないけど、むしろその平凡さゆえに聴いていてホッとしたりもします。メンバーのルックスはお世辞にもいいとは言えませんが、素朴で暖かいサウンドがそれらを補って余りあると思いますよ。


14.Free Harmony / James Orr Complex

スコティッシュ・インディーズの注目株、クリストファー・マック(90年代前半にグラスゴーで活動していたバンド、エスカの中心人物)のソロ・プロジェクト。ギターと最小限の楽器だけによるシンプルかつ大胆な演奏がなかなか面白いです。リリースはモグワイのレーベル、ロック・アクションから。


15.夏はどこへ行った / 鈴木祥子

ワーナー以降のシリアスで心がヒリヒリとするような歌も素晴らしいが、やはりエピック時代のノスタルジックなラブソングのほうが、聴きやすくて好き。この曲もそうだけど、彼女の歌にはロードノベル(あるいはムービー)と同質の、今ある場所にとどまらず、常に移動し続けるような独自の世界感があります。娘と同じ名前なんですよね(笑)。



16.The Summer Ends / American Football

白昼夢を見てるような美しい旋律がループする曲。ちょっと変わったリズムのとり方とゆったりとしたアルペジオの織り成す視覚的な音世界はクセになります。タイトルが示すように「何かの終わりを告げる」音ですが、その先にはまた「新しい何か」が待っていることを予感させてくれる、そんな曲。ヴォーカルのマイク・キンセラは先日Owen(彼のソロだけど)として来日してました。