ローズマリーの赤ちゃん(68)

DVD版でひさびさに観た。舞台は60年代のニューヨークのアパート(あのダコタハウスがモデル)。悪魔崇拝をする人々によってじわりじわりと狂気の世界へ誘われてゆくヒロインの姿を描いた、ロマン・ポランスキーの名作。オカルト映画という懐かしい言葉が似合う作品で、昨今のホラーのように血しぶきや派手なアクションもない。淡々とした日常描写の中で、彼女(ローズマリー)がひとり孤立し、人間不信と被害妄想(事実なのだが)に陥り追い詰められてゆく様子は、同時に観る者も不安な気持ちにさせる。このあたりの演出はヒッチコックのサスペンスにもちょっと似ている。悪魔の目を持つ赤ん坊の顔が一瞬だけオーバーラップするところなど、やはり『サイコ』(60)のラスト近くで、主人公ノーマン・ベイツの顔に母親の骸骨が重なる映像と共通しているし。
もう一本は(2本セットで送られてくるので)アニメ『ワンピース デッドエンドの冒険』だったが、結構楽しめた。