梅雨は何処へ行った?

『The Way of the Vaselines 』

ひさしぶりの更新です。ここんところ、思うようにネットが出来ない状態が続いていたんですが、気づいたらもう7月なんですね。それにしても毎日暑い!エアコン無しではとても生きてゆけません。電気代なんていくらかかってもいいってぐらい、毎日フル稼働中です。20年以上住んでるけど、東京の夏はホント身体に堪える。もう、早いとこ秋になって欲しいっす(ってまだ8月にもなってないけど…)。


今週は2本、ライヴに行きました。6日のUAと、8日のユージン・ケリー。
UAの場合は、どちらかと言うと、会場(すみだトリフォニーホール)が家から近いという理由で行ったんですが。このホールはオーケストラ向け作られているので、ステージもそれを意識した感じでした。ウッドベース、ギター(他にもいろんな民族楽器をプレイしてた)、ドラム、キーボード(クラリネットやサックスも兼任)、サックス、トランペットの6人のミュージシャンを従えてスパンコールの銀のドレスで登場したUA。演奏はかなりジャズ寄り。もともとジャズバーで歌ってるところをスカウトされた人なので、本人も気合いが入ってたようで、MCも入れずにバンバン歌う。鳥の鳴き声をしたりと、自分の声を楽器のように操っているのが面白かった。それにしても彼女の地声って、かなりデカイ。細かな息遣いまでもが、静まり返ったホールの隅々まで響き渡る様は圧巻だった。
アンコールでは胸のはだけたヒラヒラの衣装に着替えて現れ、「あー、楽しいなー。トリフォニー最高!」って言いながら両手を上げてクルクルと回ったりと、かなりご機嫌な様子(笑)。会場のせいなのか、観客はずっと座ったままで曲間に拍手をするというだけだったけど、終わった瞬間にあちこちから立ち上がってスタンディングオベーションが起こったのは結構新鮮な光景でした。


ユージン・ケリーは1月に吉祥寺のタワレコでインストア・ライヴを観てるんですが、今回はフルバンドでの来日。会場は原宿アストロホールで、ソロでの公演はこの1日だけ(少年ナイフの公演にゲスト出演するらしい)。400人ぐらいのキャパだけど、8割ぐらいの入りだった。
ステージはソロアルバム『Man Alive』からの「You're Having My Sex」でスタート。アルバム同様、フォーキーでまったりした演奏。この後「I'll Be Yours」「Jesus Wants Me For A Sunbeam」(ヴァセリンズの曲)、新曲(メロディがきれいだった)と続き、その後はずっとソロからの曲。10曲目の「Noise And Smoky Breath」が最後の曲と言った時は観客から「エェ〜ッ」と驚きの声が上がったが(まだ始まって30分ぐらいしか経ってない)、何のことはない。メンバーが引っ込んだら、ユージンだけがひとりですぐにステージに戻ってきた。
神経質そうな風貌の割には結構茶目っ気もあって、キーボードを弾いてプレスリーの「Hound Dog」のマネをしたり、途中で歌詞を忘れて、観客から差し出されたジャックダニエルをあおって歌い直し「It's a magic of Jack Daniel's. Thank you!」って笑いを誘ったりと。ちなみにこの日の彼は白のスーツに黒っぽいシャツ、首にはバンダナ(スカーフ?)という本気なんだか冗談なのか分からないスタイルで、「東京は暑いよ」って苦笑いしてた。


アコギのソロを数曲披露した後に(ジャックダニエルをもらったお礼にリクエストに応えて「Son Of A Gun」をやってくれた)メンバーを呼び戻したらみんなビールを飲んでてかなり出来上がってた(ギターなんて顔が真赤)。ここで本編終了。アンコールでは再び観客のリクエストで「Chemical Reaction」そして「Ride The Dream Comet」の2曲を歌う。全19曲、1時間10分のライヴでした(曲が短いので)。
ヴァセリンズ時代の曲に対する観客のリアクションは思ったほど大きくはなく(もちろんそれなりには盛り上がるが)、ファンもユージン本人も『Man Alive』のフォーキーなギターポップ路線を望んでいて、それがしっくりしているのかなという印象だった。実際、19曲中12曲はソロからの曲だったし。新曲すごくよかったので、ミニアルバムでも作ってくれないかな。