ストーリー

科学者、サラリーマン、貧民、精神を蝕まれた者、など様々な階級の人々が何百層にも折り重なるように屹立した巨大な居住区に住む世界。ここでは監視局の厳しい管理の下、抑圧された重苦しい空気が充満していた。
17歳の高校生、藤崎ルキノは登校途中にこの世界では禁止されている喫煙を巡るトラブルに巻き込まれ、逃げ込むようにエレベーターに乗り込んでいった。そこはこの巨大な階層を網羅する交通機関〝移動機筒〟だった。
まるでレプリカントのような感情を示さないエレベーターガールの手によって操られ、各階層を移動する密閉された空間。そこで乗り降りする様々な人々。不気味に響く機械音。


そこに監視局の要請で99階層の囚人と監獄の街「ビタガスコイン」から、凶暴な殺人鬼と爆弾魔のふたりが乗り込んでくる。
彼らの登場で事態は一変する。居合わせた8人の内側に潜むもうひとつの顔が徐々に明らかに。そこで展開される血の惨劇。
そんな極限状態の中で、覚醒するルキノの潜在能力と過去の忌まわしい記憶。どこまでも上昇し続ける〝移動機筒〟と共に事態は急展開を示し、やがて驚きのラストが待ち受けて……。