パイボールド [amazon] US

『All Ears, All Eyes, All the Time / Piebald』
何気なく聴いてみて「いいなぁ」と思ったら、そのアーティストはボストン出身(あるいは活動拠点)だったということがちょくちょくある。(行ったことはないけど)歴史のある街並みとアカデミックで、自由な雰囲気なども無関係じゃなさそうだし、きっとアーティストたちにとっても活動しやすい土地柄なんだろうな。この4人組のPiebaldもボストン出身のバンドだ。結成は94年。最初はハードコア系のバンドだったらしいが、2002年の日本デビュー作(通算3枚目)『We Are The Only Friends We Have』(Amazonだと輸入盤が信じられない値段で売ってる→US)ではエモーショナルなパワーポップサウンドと、ちょっとひねくれてるんだけどキラリと光るメロディ・センスがいつまでも耳に残る独特の世界を聴かせてくれた。分厚いギター(このあたりにハードコアの名残りが(^_^;)と、うねるメロディ。切なさとホロ苦さ情けさなが混ぜこぜになったようなヴォーカル。あちこちに散りばめられたユーモア。ちょっぴりトボけたメンバーのキャラもこのバンドの魅力だ<特にフロントマンの面白好青年トラヴィス君は、かなりイイ味出してます(会ったことないけど、きっとそうに違いない)。
で、2年振りの新作がようやくリリース。40分足らずの中に15曲が詰め込まれている。この潔さがいい!パワフルでメロディアス、ひねくれ度やユーモアにもさらに磨きがかかってる。しかもこの短い収録時間の中身は、これでもかと言うぐらいにヴァラエティに富んでるから、単調にならず聴いてて飽きない。バラード曲などでみせるメロディ・センスには、どこかトッド・ラングレンを想わせるような繊細さがある。そんな微妙なギャップもこのバンドの面白さ。個性的でカワイイ(そしてちょっと風変わりな)ジャケットも彼らの音楽にぴったりだ。

オフィシャル日本のファンサイトもあるよ。