レコード会社って何?

『The Pity List / The Mayflies USA』

ロフトプラスワンでのシンポジウムでパネリストの方が言っていた、「業界関係者、特に大手レコード会社の人間が今回のCD輸入規制問題について実はほとんど知らない」という話が妙に印象に残ってました。あの時点(5/4)での情報不足というマイナス面を差し引いても、自分たちの扱っている音楽というものに対する無関心さにはほとほと呆れてしまったし。彼らの立場なら私たち一般のリスナーが知りえない情報の入手だって、その気になればさして難しいことでもないと思うんですが。その程度の労力さえ使うのが面倒臭いのか、はなから興味がないのか、それともただ上からの命令に機械のように従っているだけなのか。多くのマスコミでも取り上げられるようになった今現在ではそんな言い訳は通用しないと考えるのが当たり前。会社ぐるみで何らかの意思統一がされているのは容易に想像できますが、それでも個々の声がまったく聞こえてこないのは奇異に感じざるを得ません。
今さらレコード会社に期待するものなど何もないけど、せめてこれ以上私たち音楽ファンの邪魔だけはして欲しくないというのが正直な気持です。

「パブコメ全文入手!!!!」(Dubbrock's Dublog)

藤川毅さんのブログで昨年12月に文化庁が募集したパブリックコメントの全文(1154ページもある!)を入手したことと、それについてのコメントが。PDFファイルも公開中。アクセス殺到のためDLは難しい状態なので、藤川さんがまとめられた文章を読むほうをオススメします。
これによると、賛成意見が反対派を大きく上回った裏には、レコード会社からの圧力とそれに伴う国内盤レコード販売店からのすさまじいまでの組織票があったからというからくりが判明。文化庁が結果の数字しか出さなかった理由がよくわかります。こんなんじゃ内容を公表できるわけないわな。


日付は前後してしまいますが、同じ藤川さんの28日の日記で、27日に行われパネリストとして出席もされた、東京大学でのシンポジウムと横浜緊急市民集会について触れられています。

27日東京大学シンポジウムの音声がアップされています。
http://3.csx.jp/copyrights/

「4時間も喋りました」(owner's log by Kentaro Takahashi)

CCCDに対する辛辣な発言をする萩原健太さんへの、露骨な制裁措置を続けるレコード会社の姿勢を見ると、どうにも暗澹とした気持ちになります…。「お前らライターは余計な批評などせず、宣伝だけやっておけ」ってことですかね。音楽ジャーナリズムを真っ向から否定してるとしか思えません。こんなレコード会社にはたして著作権を語る資格があるんでしょうか?

ラストサムライ

銀座の歌舞伎座で行われたDVD発売記念の試写会に行ってきました。この場所で洋画が上映されるのは初めてことで、正面入口上には「魂」という文字が浮かび上がる看板が掲げられ、「ラストサムライ」と書かれた真っ赤な懸垂幕があちこちに目立ち、舞台の両側にはたいまつ(火は布切れで代用)まで用意されていて雰囲気を盛り上げていた。
通常の映画観と違って飲食が自由なので、上映前の30分間はさながらお食事タイム。とにかくみんなよく食べる。パンにお菓子におにぎり、お弁当。劇場内が食べ物の匂いでいっぱいになるぐらい(笑)。
歌舞伎座らしく、チョンチョンチョンチョンという拍子木(歌舞伎では柝と呼ばれる)を打つ音で上映開始。映画の内容は知ってる人も多いだろうし面倒臭いので省略(オイオイ)。ただ、いくらなんでもトム・クルーズ、あんた不死身過ぎだろってツッコミも入れたくなったし、ハリウッド的なラストも微妙(主役だからと言えばそれまでだけど)。最後の合戦で大村の命令を無視した部下が新型ガトリング砲による砲撃を止めされてお辞儀をするシーンはこの映画のテーマともリンクする場面だろうが、回りの兵士も追従して全員がお辞儀しちゃうってのはやり過ぎ。ひとりだけなら結構感動するシーンだったんだけど。
それから英語音声を小さな音で残したまま日本語吹き替えを上からかぶせるボイスーバー方式も苦肉の作って感じがした。さすがに全編日本語にしてしまったらこの作品の意味がなくなってしまうしね。


上映後は大村役の原田眞人と、明治天皇を演じた中村七之助が舞台挨拶(原田眞人は日本語版の監修もしてるので上映前にも出てきたが)。七之助だけは花道から登場してきたのだが、明らかにサイズの合ってない黒のジャケットにド金髪のヘアスタイル(映画「真夜中の弥次さん喜多さん」撮影のためだが)!映画の余韻が一気に醒めてしまう(笑)。
すべてが終了したのが10時半ぐらいで、やっと外に出るとこのイベント用に飾り付けられた歌舞伎座の写真を携帯で撮影してる人並みがすごいことになってる。自分も一応撮ったんだけど(笑)。さすがに疲れました。面白いイベントだったけどね。

ザ・メイフライズUSA [amazon] UK

『The Pity List / The Mayflies USA』
96年にインディーズシーンの盛んなノース・キャロライナ州チャペル・ヒルで結成。彼らとは同郷で、パワーポップ・ファンにはお馴染みのバンド、元dB’sのクリス・ステイミーがデビュー作同様プロデュースを務めた2001年リリースの2nd。メンバーの3人がシンガーソングライターというユニークな構成だが、アルバムを通して聴いてもまるで一人の人物が楽曲を作っているような錯覚するぐらいしっくりとくる。Teenage Fanclubのようなスウィートなギターポップなのだが、とろけそうなぐらい美しいコーラス・ワークがとにかく素晴らしい。「ギターの音がパチパチとはぜ、かけてある絵がめくれる…。このアルバムの雰囲気は例えると秋、決して夏ではない。メイフライズはぼくらを一瞬にして学生時代へとタイム・スリップさせてくれる」とは彼らの音楽を評したクリスのコメント。なんだかいろんなことを想い出しそうだなぁ。